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楽しかった夏休みもあっという間に過ぎて、今日は始業式。
体育館には髪色が派手になっていたり、
肌が焼けている生徒がちらほらいた。
みんな、夏休みを満喫したようで何より。
チラッと3年生の方を見ると、せんぱいが友達と喋っているのが見える。
久しぶりに見たせんぱいは相変わらずカッコよく、女子生徒の注目の的だ。
……うん、いつ見てもかっこいい。
何度だって見惚れる、
それくらいの美形なの。
あの海の日以来、せんぱいとはまったく出会うことはなかった。
あんな失礼なことをしてしまったから次会ったらどうしようと思ってたはずが、会わなかったらそれなりにテンションが下がるという矛盾が生まれる。
あー、それにしても校長先生の話が長いなぁ。
ぼけーっとしながら話を聞いていると、何やら視線を感じる。
なんだろうと思い視線を感じる方向に目を向けると、視線の正体はせんぱい。
……なに?
困惑した顔で彼を見つめ返したけど、微動だにせずこちらを見ている。
私を見ているのは勘違いだろうか?


