可愛いキミは、僕だけの××




やっぱり、住む世界が違う。



そう実感していた時に、
唐突にせんぱいが振り向く。


そして、「少し座ろうか」とパーカーを脱いでからそのパーカーを砂浜の上に広げた。


「ここに、座って」

「え、汚れちゃいますよ!」

「いいから」


でも、と戸惑う私に対しせんぱいは少し強引にパーカーの上に座らせ、彼が隣の砂浜に座る。


わぁ、引き締まったいい身体してるな……っじゃなくて!


「すみません!パーカー、洗って返します」

「別にいいよ」

「でも……」

「四葉さんが汚れる方が困る」



せっかく、かわいい水着着てるんだから。

せんぱいがサラッと突然褒めてきて、思わず驚いていると柔らかい顔で微笑んでいる。



「そのワンピース、かわいい」


すげー似合ってるよ、
と更に褒めるものだから

もちろん私の顔は一気に熱くなった。


だって好きな人から言われたら、
お世辞でも嬉しいじゃん!

やばい、今すぐ踊り出しそうなほど舞い上がっている。なんて単純なんだ。


「あ、ありがとうございます……」


細い声でお礼を言い、熱さを誤魔化すためにジュースを飲んだ。

キンキンに冷えていて美味しい。



今日はいいこと、ありすぎるよ。

当分はニヤニヤしながら過ごしてしまいそうだ。

飲み干したジュースのカップを握りしめ、
そんなことを思う。




「………あれ、誤解だから」



何か話した方がいいのか考えていると、せんぱいから話を切り出した。

いきなりだったから訳が分からず「はい?」と返事するしかない。




「さっきの、女たち」

「………あ、はあ」