……だって、水着姿の秋元先輩達がいたから。
まさかバッタリ出くわすなんて、
これっぽっちも思わなかったからビックリ!
「おい蓮夜と侑太!お前らもっと笑えよ!そんな仏頂面じゃモテねーよ?モテてるけど」
「はぁ?意味わかんねー」
戸梶先輩のもっと笑えと言う声を無視して、涼しい顔をしている城間先輩と秋元先輩。
3人とも派手なお姉さんにくっつかれ、豊満な胸を腕に押し付けられていた。
うわぁ、ほんとにどこに行ってもモテモテなんだな……
ここは海だからせんぱい達も水着姿で、鍛え抜かれた上半身を惜しみなく曝け出している。
そんなカッコいい人達の隣に立つのは、
スタイルのいい美女がお似合いだ。
ふと、自分のつるぺたな胸と見比べてちょっと落ち込んだ。
比べる必要はないと思いたいけど、
どうしても気になっちゃう。
さっきから注目の的で、気が気じゃないよ。
私はせんぱいの彼女じゃないのにね。
「離せ」と突っぱねるせんぱいに対し、つれないとこもいいね~~!ってまったく離れようとしないお姉さん。
……嫌だ、触らないで!
心の中で悲鳴をあげて、そっと目を逸らす。
「何してんのあいつら、見損なったわ」
先輩達を睨む瞳さんと、心配そうに私をチラチラと見るこはちゃん。
大丈夫だよ、って笑顔を返す余裕がない。
「胸くそ悪い。行くわよ2人とも」
怒った様子の瞳さんが反対方向へと歩き出した。
「アイスでも食べて帰ろうよ!ねっ?」
「うん、行こうか」
こはちゃんが悲しそうな顔で笑い、手を引いてくれる。
気を遣わせて申し訳ない。


