可愛いキミは、僕だけの××



入学式が終わり、各自解散になった。


私が下駄箱へ向かっていると、「まれお姉ちゃん!」と高くて可愛い声で名前を呼ばれる。

この呼び方はあの子だな。


後ろを振り返ると、今日から東雲高校の1年生になった瀬戸小羽(せと こはね)ちゃんがいた。


小羽ちゃんは2年前にうちのマンションの隣の部屋に引っ越してきてから、家族ぐるみで仲良しなんだ。

黒髪のボブに真っ白な肌をした女の子。
ぱっちりした瞳と笑顔がチャームポイントだと思う。

妹みたいでとっても可愛いの。


だから、私は「こはちゃん」って呼んで可愛がってるし、こはちゃんも「おねーちゃん」って慕ってくれている。


「こはちゃんだ!これからよろしくね!」

「うん、よろしくお願いします!」


ペコッと小さく頭を下げるこはちゃんに、「こっちこそ!!」と、こはちゃんの頬を両手で挟んで笑いかけた。


うん、やっぱりいつ見ても可愛いなぁ。