隣に座る瞳さんがスマホで写真を見せてくる。
海かぁ……夏らしいことがまだ出来てないからいいかも!
「海いいですね!行きたいです!!」
元気よく返事した所で、あれ?と首を傾げた。
「荻野先輩は一緒に行かないんですか?」
「大和はね、総体に向けて毎日練習漬けだし、勉強もしなくちゃだから忙しいの」
少し寂しそうに笑う瞳さんを見て、納得する。
ああ、そういうことか。
勝ったら次に進めて、負けたら引退。
3年生にとって、最後の大きな大会。
陸上部の絹ちゃんも今頃、頑張ってるんだろうな。
毎日暑い中、汗かいて練習してるって言ってた。
努力が実を結ぶことを願っているよ。
「荻野先輩、バスケ部のキャプテンでしたよね?」
「ええ、最近模試が続いてたから、たまには羽を伸ばして楽しんできてこいって言ってくれてるわ」
「私もそう思います!たくさん遊んで、リフレッシュしましょう!」
「ありがとうね、希ちゃん!」
はじける笑顔の瞳さんは、眩しいくらいに美しい。


