びっくりしてむせた私の背中を絹ちゃんがさすってくれた。
絹ちゃんは、私が秋元先輩を好きなのをよく知ってるの。
お茶を飲んで落ち着いてから、慌てて首を横に振る。
「はぁ……わ、私と秋元先輩はまだ顔見知り程度なのに、いきなりお弁当食べてくださいなんて言われたら引かれない?」
だって、あんなにカッコいい人なんだよ。
差し入れされるのは日常茶飯事のはず。
周りに美人や可愛い子が多い中で、
私みたいな平凡が受け取って貰えるのかな……?
何入ってるか分かんないから無理、と言われた日は寝込む自信がある。
そんなはっきりとは言わないと思うけど。
「え?それを言うなら、あの子達だって先輩を見てキャーキャー騒いでるだけで、特に親しいって訳じゃないと思うよ。希とおんなじ」
「そう、かな」
「そうよ!先輩が好きならガンガン話しかけて、希のことをもっと知って貰おうよ!
チャンスは自分から掴みにいかないと!」
絹ちゃんの力強い言葉に、うじうじ悩んでた私の心が晴れた。
……そうだよね。
せんぱいの隣にいる女の人は、彼女という噂はあるけどあくまでも噂でしかない。
だったら、私にもまだ可能性はあるんだ。
よーし、そう思えたら元気出た!
ありがとう絹ちゃん!


