私の沈んだ気持ちとは正反対に、体育祭は大盛り上がりだった。
休憩を挟みながらどんどん競技が行われ、紅が勝ったり白が勝ったりと接戦だ。
みんながみんな暑い中、汗を流しながら頑張ってる。
もちろん勝ったら大喜びするし、負けたら次は頑張ろう!って励まし合ってる姿を見てるとこっちまでやる気になるんだ。
せんぱいの事は気になるけど、いつまでも暗い顔してちゃ心配かけちゃう。
年に一度の行事、思いっきり楽しまないとね。
特に盛り上がったのは騎馬戦で、大将戦がとても白熱した。
秋元先輩と荻野先輩がバチバチに火花を散らして、お互いを睨み合っていたのは一度も目が離せなかったな。
私は白組だから荻野先輩を応援するべきなんだろうけど、秋元先輩にも頑張ってほしいから「どっちも頑張ってください!!」と叫ぶ。
2組とも一歩も引かず、最終的には両方の騎馬が崩れ落ち、引き分けになった。
秋元先輩は悔しそうな顔をしていたけど、とても楽しそうで無邪気に笑っていた。
わっ、あんな表情初めて見た!激レアじゃない!?
ポーカーフェイスでいることが多いせんぱいの笑った顔に、
胸がキュンとなる。
珍しく荻野先輩に突っかかることはなく、握手していた。
男の友情って感じ。


