せんぱいは暑い中短ランを着て、白い軍手をはめ、頭に白の長いハチマキを巻いている。
服装のお陰で、とても男らしく見える。
かっこよさがいつもより増し増しで、思わず釘付けになった。
「きゃあ〜〜っ、秋元くーん!!」
「こっち向いて!!」
周りの女子の歓声と熱気がものすごい。
応援合戦を終えたばかりのせんぱいは額に汗を浮かべ、その汗をぬぐう。
男子特有の色気が大爆発してて、黄色い悲鳴が更に大きくなった。
さっそく例の女の先輩が、傍にぴったりと寄り添っている。
……そろそろ潮時なのかもね、
あんなに美人な彼女がいるし、
私のことはもう忘れてるだろう。
瞳さんに後押ししてもらったのに、結局諦めてしまう自分がどうしようもなく不甲斐ないよ。
………あぁ、また泣きそう。
せんぱいに背を向け、自分のチームの輪に入っていった。


