うう、このままずっとこうしていたら沸騰しちゃいそう!
「ここにはいないか」
数分くらい探してから、女の先輩は図書室から出て行った。
後ろからはぁぁ〜〜という安堵のため息が聞こえ、抱きしめる腕の力が抜ける。
と思えば、今度は私の肩に頭を乗せた。
えっ、離れないの?
さっきとは違った意味で心臓が破裂しそうだ。
うん、この距離はよくない。離れよう!
「あ、あの、せんぱい。私、教室戻りますので」
「………君は荻野が好きなの?」
……へ?
私の肩に顔をうずめながらせんぱいが言う。
ま、待って。どうして荻野先輩?
「えっと、意味がよく分からないです」
「あいつはやめておいた方がいい」
性格はクソだし、嫌味ったらしいし、
彼女しか見えてないよと言葉を続けた。


