「今回はグレイグも一緒に来ているよ」
「え、グレイグもいらっしゃってるの?」
「よく知るアリッサでも、この時間は失礼だからと言っていたよ。 明日には会えるはずだ」
「あら、グレイグだけね。 私を女性扱いして下さるのは」
「実はアリッサの伴侶にどうかと思ってね。 彼なら俺も安心して任せられる」
「あの、お兄様……。 話さなければならない事があるの」
そう言い、私はそれまでじっとバルコニーで待っていたユリシスの方に振り向いた。
「お兄様、紹介するわ。 彼はユリシス・ハワードとおっしゃるの。 家は公爵位よ」
「初めまして、殿下。 私はハワード家の次男で、サウスマルケリアでは騎士団にて修行しておりました」
「サウスマルケリア?」
「お兄様、今日お見えになったばかりなの」
「アリッサ、今日来たばかりの彼がどうしてお前の寝室にいるのか説明してくれるか?」
セオドールお兄様の表情が凍り、冷たい厳しさも増した。 まるで周囲だけが吹雪だしたように寒くなった。
「それはお父様に窺った方がいいと思うわ」
「というと?」
「お父様が彼、ユリシスを私の婚約者になさったのよ」
「は、何だって? 俺は聞いていないし、何も知らないぞ!」
「え、グレイグもいらっしゃってるの?」
「よく知るアリッサでも、この時間は失礼だからと言っていたよ。 明日には会えるはずだ」
「あら、グレイグだけね。 私を女性扱いして下さるのは」
「実はアリッサの伴侶にどうかと思ってね。 彼なら俺も安心して任せられる」
「あの、お兄様……。 話さなければならない事があるの」
そう言い、私はそれまでじっとバルコニーで待っていたユリシスの方に振り向いた。
「お兄様、紹介するわ。 彼はユリシス・ハワードとおっしゃるの。 家は公爵位よ」
「初めまして、殿下。 私はハワード家の次男で、サウスマルケリアでは騎士団にて修行しておりました」
「サウスマルケリア?」
「お兄様、今日お見えになったばかりなの」
「アリッサ、今日来たばかりの彼がどうしてお前の寝室にいるのか説明してくれるか?」
セオドールお兄様の表情が凍り、冷たい厳しさも増した。 まるで周囲だけが吹雪だしたように寒くなった。
「それはお父様に窺った方がいいと思うわ」
「というと?」
「お父様が彼、ユリシスを私の婚約者になさったのよ」
「は、何だって? 俺は聞いていないし、何も知らないぞ!」



