中学に入った頃か、突然真の身長が伸びて、いつの間にか私達の身長差は16センチも開いていた。
真はきっとまだまだ伸びるんだと思う。
今、私の目は真の肩に近い。
肩に頭をもたれ掛けるとすごく落ち着く。

「よしよし、泉、大丈夫だ。……大丈夫。
俺がいるからな」

「……しん…」

そこがまだ日中の公園だと言うことも忘れて、私は真に甘えていた。
そこへ……

「泉っ‼︎ 」

と呼ぶ切羽詰まった声。
思わずビクッと震える私。

「あ……」

「京……やっと来たのか……」

「泉っ! 泉、聞いて! 
さっきのは違うんだ。いないから! 
許嫁なんていないからな!」

「……許嫁? なんだよ、それ。
………京、説明しろ」