「姫には私からもちゃんと話すわ。
お兄さんにも言ったんだけど、そう悪い子じゃないんだけどね、あの子」

「でも、亜希さんが言えば、今度は亜希さんが標的になるんじゃ……」

「私なら大丈夫よ。
フフフ、あんな小娘には負けないから。
アラサーには勝てないって」

プッ

「もうっ! 亜希さんったら……」

この人も気遣いの人……
多分、この人のせいではないのに責任を感じてるんだわ。

「話がそれちゃったわね。
ショーの順番なんだけど、泉さんはここね」

『一般』と書かれた枠が5枠。
亜希さんはそこを指さした。
全体のタイムテーブルで言うと、かなり後ろの方だ。
各ドレスメーカーから一般のカップルにお声かけするって言ってたから、それが5組ってことなのね。

「バンクロはこの中では最後を飾るわ」

ちょっとホッとした。
1番最初なんて緊張しちゃうもの。