「そんな感じのことが何度か書かれてる。
口コミなら通報出来るから、削除できる限りはしてるんだけど、SNSはどうしようもないの」

疲れきったような顔で、ナコが頬杖をつく。

「それで……どうするの?」

「放置。
どうしても人手が足りないフェアがあっても、なるべく男性社員やアラフォー世代のスタッフに対応してもらってる。
達矢さんが代表として出ている時は特にね。
どこで見られているかわからないから」

「ナコ……それ、全然大丈夫じゃないよね? 」

「うーん。
一応、達矢さんが弁護士に相談してくれてる。
で、実は……」

「……なに? 」

「最近は変装してるの」

「はい?」

「だから、髪はなるべく下の方でお団子にして、ツーサイズ上のスーツを着て、もちろん銀縁の眼鏡もかけて。
……つまり、アラフォーのスタッフは私なのよ」

「……」