久しぶりに食べる、名物のロールキャベツは格別の味だ。

大きな丸いロールキャベツにホワイトソースとデミグラスソースが合いがけになっていて、見た目からも食欲をそそる。

ひとしきり食べ終わった後、来る前に購入したマグカップを渡す。

「わ! ありがとう〜!
これ、新しく出来た駅ナカのお店の…」

「知ってたのか」

「もちろん!
呉服屋の娘だし、和小物には昔から興味があるの。
あのお店は、昨日オープンだったから、まだチェック出来てなかったんだー。
開けてもいい?」

「あ、ああ……」

開ける段階になって、なんだか妙に恥ずかしくなってきた。

やっぱり無難に菓子にした方が良かったか?

良かれと思ってマグカップにしたが…あんなもの、喜ぶんだろうか……。

撫子なら食い物の方が良かったのかも……。