朝、唯由がバス停に向かって歩いていると、横を軽快に通り抜けようとした自転車がいきなり止まった。
「あれっ? 蓮形寺さん、この辺なの?
お疲れっ」
爽やかな笑顔で言う彼を何処かで見たな、と思ったら、蓮太郎と出会ったコンパのとき、隣に座っていたイケメンだった。
「あ……、こんにちはーっ」
誰かは思い出したのだが、名前がわからない。
微妙に誤魔化しながら、挨拶すると、
「また今度呑もうねー」
と笑って、シャーッと行ってしまう。
自転車もいいなあ。
バスは渋滞に引っかかるもんなーと思いながら、誰だか知らない人を見送った。



