(仮)愛人契約はじめました

 



 豚骨のいい香りを服や髪から漂わせながら、二人で夜道を歩く。

「悪かったな」
「え」

「いやなことを思い出させて」

「人がどう思ってるか知りませんが。
 私にはそう嫌な話ではないですよ」

 そう言うと、蓮太郎は唯由を見て笑う。

「紗江さんが言ってた。
 お前がタフなのは目を見たらわかると」

 ほんとだな、と言う。

 ……だから、そんな風に見つめないでくださいよ、と唯由の方が視線をそらしてしまった。