(仮)愛人契約はじめました

「色恋沙汰より、まず仕事。
 仕事終わったら、応援したげるから、はいっ」
と急かされる。

 意外とまともなことを言う人だ……。

 蓮太郎はおとなしく仕事に戻ることにした。

 唯由と予測変換を眺めていたとき、『つ』で『月子』と出たので、誰だと訊いたら、妹だと言っていた。

 あのときの困ったような顔を思い出し。

 この狭いアパートで幸せ、と言っていた顔を思い出す。

 もし、仕事が早く終わったら、なにか美味いものでも持ってってやろう。

 ……迷子にならずにたどりつけたらだが、と思いながら、蓮太郎は長い廊下を歩いていった。