(仮)愛人契約はじめました

 だが、道馬は、いや~という顔をし、
「ごめんごめん。
 今日は、ほんと」
と言った。

 じゃあ、いつもは嘘なんですか……?
と思う唯由に、道馬が言う。

「うん。
 確かに何処かで会ったよ」

 間違いない、と道馬は言い切る。

「なんかちょっと印象違うけど」
と言うので、ああ、と唯由は頷いた。

「じゃあ、それ、たぶん妹です」

「妹さん?」

「蓮形寺月子(つきこ)じゃないですか?」

 すると、ああ、ああ、と道馬は笑った。

「そうそう、そんな名前だった。
 妹さん、元気?」

「はあ、たぶん」
と唯由は曖昧な返事をしてしまう。

 いや、逃げるように家を出てから、月子がどうしているか知らないのだ。

 というか、実家の情報は耳に入れないようにしていた。

 だが、そこで道馬は、あれ? という顔をする。