(仮)愛人契約はじめました

 誰彼かまわず、
「おい、そこの下僕」
とか言い出しそうな人だからな……。

 そう思ったとき、さっきの道馬がこちらにやって来た。

国松(くにまつ)さん」
と道馬は正美に挨拶しに来た。

「こんにちは。
 今からお昼?」

「あ、はいっ。
 そうなんですっ。

 ここメニュー多いからなににしようか迷っちゃってっ」

 お手頃とか言ってたわりに正美は緊張しているようで、返事する声も高くなっていた。

 微笑ましく眺めていると、道馬が、おや? という顔をした。

「君、何処かで会ったことない?」
と唯由を見て言う。

「道馬さん、またですか~?」
と正美が笑った。

 どうやら、よくそう言って、女性に声をかけているようだった。