(仮)愛人契約はじめました

 

 などとやっているうちに夜も更け、
「じゃあ、明日までにお前のスマホで蓮太郎って出るようにしとけ」
と蓮太郎は立ち上がった。

「おやすみ」

 あっさり靴を履く蓮太郎に、ホッとしたが、振り向いた蓮太郎は唯由の肩をつかみ、唇に触れてこようとする。

「いや、王様、なに調子に乗ってるんですかーっ」

 押し返す唯由に向かい、蓮太郎が主張してくる。

「額にもキスして、頬にキスした。
 あと何処にしろと言うんだ、手か。

 ひざまずいてか。
 俺がしもべか」

 蓮太郎は唯由の右手を取り、軽くその甲にキスして見せる。

「ホストか」
と睨まれた。

 いや、誰もやれなんて言ってません……。

「じゃあ、帰る」

 帰るんだ……。

「お疲れ様でした」

 いろんな意味で、と思いながら、一応、外に出て見送ろうとしたのだが、押し返される。

「こんな時間に外に出たら物騒だろ。
 家に帰れたろうかと不安になるから見送るな」