(仮)愛人契約はじめました

「だが、愛人のデートというのがどうもよくわからない。
 普通のデートしか検索しても出てこないし。

 リラクセーションルームの雑誌にも載ってない。

 サスペンスとかだと、殺されたり犯人になったりする愛人と男は大抵、お忍びで旅行に行ってるから、今度、旅行にでも行くか。

 まあ、今、なかなか休めないんだが」

 ……休めなくてよかった、と唯由は思っていた。

「ともかく、いずれ、お前を愛人として親族に紹介したい」

「いや、なんでですか」

「それをしないと意味ないだろう。
 俺の女性関係が乱れていることを示すためにお前を雇ってるわけだから」

 雇われてはないかと思いますね~。

「……近々、お前のお披露目をせねばな」

 そんなお披露目、嫌ですし。

 愛人をわざわざ親族に紹介してお披露目するようなきちんとした人は、女性関係は乱れてない、と判断されると思いますね、と唯由は思っていた。