(仮)愛人契約はじめました

「もういいやになるわけないだろう。
 愛人になってくれなんて、普通の人に頼めるわけもない」

 ……私、普通の人じゃないんですかね?

「王様ゲームという素晴らしい遊びにより、得られた下僕を逃すわけないだろう」

 だから、王様ゲームにそんな拘束力はありませんって。

「別に運任せにして放っておいたわけじゃないぞ。

 コンパの主催者同士は連絡とりあえるだろうから、そこから訊いてもらえばいいと思ってただけだ」

 訳のわからないことを言うわりには、そこは冷静なんですね。

 そう唯由が思ったとき、保存容器を片付けながら蓮太郎が言ってきた。

「食べ終わったか?
 じゃあ、ちょっとでもデートでもしよう」

 なんですか、このタイトなスケジュール。

 ちょっとでもデートしようとか。
 聞きようによっては情熱的だが。

 この人の場合は、たぶん、愛人に仕立てるために、踏まねばならない行程を無理やり詰め込もうとしているだけだ。