(仮)愛人契約はじめました





「ほう、小綺麗な部屋だな」

 唯由の狭い部屋を見回し、蓮太郎は頷いた。

「お前はいい奥さんになるだろう」

 いや、あなたにとっては、私、愛人なんで。
 そこのところは関係ないかと思いますね……と思いながらも唯由は訊く。

「なにがいいですか?
 ほうじ茶ですか? 煎茶、玄米茶、珈琲、紅茶、ココアにミロと。

 カルピス、コーラ、……あとビールがありますね」

 冷蔵庫の方を見ながら唯由はそう付け足した。

 今、この状況でお酒を呑ませたくはなかったのだが。

 でも、お好み焼きにはビールだよな、という葛藤が唯由にはあった。

「いろいろあるな。
 喫茶店か、此処は」
と感心したように言ったあとで、蓮太郎は、

「さっき、煎茶を飲んだから、コーラをもらおうか」
と言う。

「お好み焼きにはビールだが。
 近くのコインパーキングに車をとめてきてるんだ……」

 そう言いかけ、ふと気づいたような顔をする。