(仮)愛人契約はじめました

「そうか?
 大丈夫か?」

 忙しいんじゃないのかと気遣ってくれる。

「いえいえ、大丈夫ですよ」

「そうか。
 そんなに俺に会いに来たいのなら、まあ」

 ……今、なんで、そんな話になりました?

「でも、俺が途中で抜けられるかわからないから。
 もし、誰かに声をかけて無理そうだったら、さっきの菓子の中に……」

 いや、とそこで蓮太郎は考え込む。

「あれは誰でも食べていいって、みんなに言ってるから。
 俺より先に誰かが開けて、お前がそいつの愛人になったら困るな」

 待ってください。
 なんで、電話番号見られただけで、私はその人の愛人にならねばならないのですか。

 蓮太郎がちょいちょいと手招きをする。

 さっきのことがあったので、思わず警戒してしまったが。

 蓮太郎は白衣をひるがえし、あの鉢植えの竹林のところまで戻っていった。