(仮)愛人契約はじめました




 宿のチェックインまで時間があるので、唯由たちは近くのテーマパークに立ち寄っていた。

 少し眺めて食事でもして時間を潰そうと思ったのだ。

 しばらくすると、大野美菜から電話がかかってきた。

「蓮形寺~。
 ラブラブデートはどんな感じ~」

 我々は仕事よ~という美菜は社食が閉まっているので、同じく出勤してきていた道馬たちとランチに来ているのだと言う。

「今、お蕎麦を食べて。
 町娘になって、散策しています」

「……あんた何処に行ってんの?」

 唯由たちは江戸の町を模したテーマパークに来ていたのだ。

「えーっ。
 いいなあ。

 私もお姫様とかになりたい~。

 雪村ヤンバルクイナもなんか仮装してんの?」

「雪村さんは、かぶき者の格好しています」

「それ仮装じゃないじゃん。
 あいつ、普段から生きざまが、かぶいてんじゃん」

 確かに、と笑って電話を切る。