(仮)愛人契約はじめました




 会社の話をしているうちに駅について、新幹線は降りた。

 そこから普通の電車に乗り換える。

 最初は結構ぎゅうぎゅうに人がいたのだが、街中を外れると、やはり空いてきた。

 窓の外には、長閑な田園風景が広がっているが。

 何処の田園風景もちょっと似ていて、懐かしい感じがする。

 がらんとした電車の長い座席に二人並んで座っていた。

 短いトンネルを通ったとき、窓ガラスに自分と蓮太郎が見えて。

 唯由は、人から見たら、私たち、どんな風に見えているのかなあと思う。

 まさか、コンパ、
 それも、別々に開催されたコンパに行って。

 なんとなく合流して。

 王様ゲームで指名されて。
 愛人のフリをすることになって。

 今、ふたりで横並びに電車に乗っている人たちだ、とは思わないだろうな。

 そんなことを考えて、ふいに黙った唯由に蓮太郎が訊いてくる。

「どうしたんだ?」