素敵な笑顔で準備万端、迎えるはずだった朝。
唯由はぼんやり冷蔵庫の前にしゃがんでいた。
また爪切りが入っていたからではない。
昨日、仕事がハードで疲れていたうえに、緊張して夜眠れなかったのだ。
ああ、きっと最悪な顔だ。
あんなに楽しみにしてたのに。
唯由は重い荷物をガラガラ引いて、しょんぼりバスに乗って駅に向かった。
改札の前に格好いい人がいると思ったら、蓮太郎だった。
……普段とちょっと雰囲気違うから、雪村さんと思わずに見たら、めちゃイケメンでしたよ。
なんて、本人に言ったら、普段はどうなんだと殴られそうだなと思う。
ああ、こんな人の横に、こんなしょぼくれた私が立つとか、絶対、周囲の女の人たちに、なんであんな女がって言われるな~と思いながら、唯由は蓮太郎に向かい、小さく手を振った。



