(仮)愛人契約はじめました

 顔を上げ、唯由は言った。

「……ここはもうお義母さんたちのおうちですよ。
 三条たちを大切にしてやってください。

 彼らもまた、この屋敷の大事な住人たちです」

 虹子の後ろに控える三条たちが涙していた。

 それを見た虹子が腰に手をやり、三条たちに文句を言い出す。

「その唯由への崇拝具合が気に入らないのよ」

 辞めさせるわよっ、と虹子は叫んだが、三条は微笑む。

「あなたは我々をもう辞めさせはしませんよ」

「何故よっ」

「……奥様、なにもできませんから」

「……まあそうね」
と冷静な大人の会話はそこで終わった。