(仮)愛人契約はじめました

 でも、ってことは今、全部やるから愛人になれとか言ってましたけど。

 賞味期限の切れたお菓子で私を愛人にしようとしましたね……?

「遠慮するなと言ったろう」

 唯由の手にザラザラお菓子をくれる蓮太郎を見上げ、唯由は訊いてみた。

「……れんれんになりたいんですか?」

 ひいおじいさんの後をついで、経営者になりたくないと言っていた。

 それで家を出て婿養子に入りたいのだろうかと思ったのだ。

 だが、大量の菓子を見ながら蓮太郎は、
「いや」
と言う。

「その方が楽だろうが。
 みんなが好きだから」

 意外に家族愛というか、親族愛は深いらしい。

 そういうところはちょっと好きかな、と思ったとき、蓮太郎が言ってきた。

「そうだ。
 今日は早く帰れそうなんだ。
 デートでもするか」

「えっ?
 なんでですか?」

「お前、俺の愛人だろうが」