(仮)愛人契約はじめました




「まあっ、早月さん、なんてことをっ」

 中華粥をパクパク食べながら、虹子が叫ぶのを唯由は側に立って眺めていた。

「娘の代わりに家電だなんてっ。
 唯由さんの料理には便利家電なんて敵わないのにっ」

 ……なんだろう。
 実の母より、義理の母の方があったかい。

 三条たちも起きていたので、唯由はみんなにも中華粥をふるまった。

 珍しく虹子が、
「みんなもここで食べなさいよ」
と言ったのだが、三条たちは苦笑いして粥を手に去っていった。

 まあわかる……、と唯由は思っていた。

 お義母さんと同じ食卓。

 機嫌が良くても、突然、悪くなってなにが起こるかわからないからな、と唯由も警戒していた。

 さっきから何度も、
「落ち着かないから座りなさいよ。
 あなた、一応、私の娘で使用人じゃないのよ」
と言われているのだが、側に立ちっぱなしなのは、なにかあったらすぐに逃亡できるようにだ。