酒を呑みすぎて暖炉の前のソファで寝てしまった虹子は人の気配に目を覚ました。
もう深夜らしく、屋敷の中は静まりかえっている。
だが、隣の部屋からキイ……パタン。
キイ……パタン、となにかを開けたり閉めたりする音がときどき聞こえて来ていた。
泥棒がなにかを物色しているのだろうか。
そっと起きると、メイドたちがかけてくれていた毛布が床に滑り落ちる。
毛布とは言え、静かな中なので、よく響いた。
しまった、音が……と思ったが、隣の部屋からは気にせず、開け閉めする音がする。
内線で三条たちを呼ぼうか。
だが、受話器を持ち上げるときの音が毛布以上に響きそうだし、話し声で警戒されそうだ。
スマホからメッセージで月子に連絡して、月子から使用人たちに連絡をとってもらうか、とも思ったが。
スマホが近くにない。
もうっ、と思った気の短い虹子は、そっと扉を開け、隣の部屋を覗くことにした。



