(仮)愛人契約はじめました




 唯由が採血場になっている小ホールを出ようとしたとき、午前中に採血できなかった人たちがゾロゾロとやってきた。

 採血が済んでから昼食のようで、開始前から早くも列ができている。

 去ろうとする唯由の背後で早月が呟くのが聞こえてきた。

「ふふふ。
 来たわ、来たわ。

 自ら進んで腕を差し出してくる者どもが」

 早月は見るからに新米っぽい看護師に向かい言った。

「しぎちゃん、さあ、頑張って練習しなさいっ」
「はいっ」

 いやそれ、彼らにとっては、本番……。