(仮)愛人契約はじめました

 白衣を着ているので、印象が違うだけだとは思いたくなかった。

 だが、男が閉じていた目を開けると、あの鳶色の瞳が現れる。

 自分を見て言った。

「おお、蓮形寺。
 なんでこんなところにいるんだ。

 俺を追ってきたのか」

「……いや、あの、此処、うちの会社なんで」

 そういえば、お互い、会社が何処かも訊かなかったな、と思いながら、唯由はそう答えた。