(仮)愛人契約はじめました

 技術系の人たちが着ているキャメルの長袖のシャツにカーゴパンツ。

 今流行りのちょっと格好いい作業着だ。

 村井は、いつもニコニコと感じはいいが、呑み会のときもそんなにしゃべってくる方ではなかった。

「お疲れ様です」
と立ち止まり、唯由は、にこやかに挨拶する。

 単に、天気がよかったからだ。

 だが、村井は笑って訊いてくる。

「なにかいいことあった?」

「えっ?」

「金曜の夜、コンパやってたよね」

 ひっ、と唯由は固まる。

 あの女子メンバーは学生時代の友だちだったので、誰かがしゃべったわけではない。

 どうやら、見られていたようだった。