(仮)愛人契約はじめました




 帰り際、蓮太郎は困る。

 あなたが思ったままを言えばいいのよ、と言われたが。

 言いたいことがありすぎて、なんと言っていいのかわからない。

 唯由が本を見ながら、せっせと慣れない料理を作っていたことを想像して、泣けてきたからはじまり。

 今日の料理、ほんとうに美味しかった、に至るまで、長く長く語ってしまいそうだった。

 長いのはよくない。

 プレゼンでも端的な方がウケる。

 蓮太郎は唯由の目を見つめた。

 その手を握る。