(仮)愛人契約はじめました

「……仲がいいのか悪いのか」
と呟く蓮太郎に、

「お義母さまとお母さんもたまに話してますよ。
 コブラVSマングースな感じですけど」
と唯由は笑って言う。

 どっちがコブラで、どっちがマングースなんだろうな。

 どっちもコブラな予感がするが……。

 蓮太郎は、鎌首をもたげて、頸部を広げ、威嚇し合う二匹のコブラを思い浮かべていた。

「ともかく、私は一生懸命作ったお料理を美味しくいただいて欲しいんです」

 ふと、自分に嫌がらせをする義母と妹のために、慣れない料理をする唯由の姿が思い浮かんだ。

 料理本を広げ、せっせと一ページずつ作ってみているところを想像すると、ちょっと泣けてくる。

 いや、遠慮なく言い返すシンデレラではあるのだが……。

 気がつくと、蓮太郎は唯由の腕をつかんでキスしていた。

 だが、すぐに、

 はっ、しまった……っ、と思う。