(仮)愛人契約はじめました

 ひっ、と思った蓮太郎が瞬時に見たのは、唯由だった。

 最後に目に焼き付けたいと思ってしまったようだったが、唯由は特になんの感慨もなく、下を見ていた。

 薄情だな、愛人っ。

 めんどくさいことを言ってくる俺なんて、さっさと死ねばいいと思っているのかっ、と自虐的になる。

 っていうか、背後にいるボディガードはなにをしてるんだ。

 いや、俺のボディガードではないが、お前たちの雇い主が殺人犯になろうとしてるんだぞ。

 止めなくていいのかっ。

 それとも、俺の死体を埋めるのまでがお前たちの仕事かっ。

 頼むっ。
 このジイさんが俺の頭をかち割る前に、撃ってくれっ。

 そんな、
「いやいや、民間のボディガードなんで、銃は持ってないですよ」
と呑気に唯由が言ってきそうなことを思ったとき、

 ドカッと蓮太郎の足許のスイカが真っ二つになった。