(仮)愛人契約はじめました

「そうだ、わかった」

 いや、あなた、なにもわかってなさそうなんですけど……。

「恋人のようなことをして、金を渡すのが愛人なんじゃないか?

 金をやろう、唯由。
 幾ら欲しい?」
と蓮太郎は訊いてくる。

「幾らでも望む金額を言え」

 今すぐ小切手を切るか、振り込んで来そうな蓮太郎に、
「け、結構ですっ」
と唯由は慌てて叫んだ。

「何故だ、愛人」

「いやいや。
 愛人らしいことなにもしてないのに、いきなりお金をもらうとか。
 募金してもらってるのと変わりないじゃないですかっ」

「そうか。
 では、先に愛人らしいことをしよう。

 うんうん。
 わかってきたぞ」
と絶対にわかってなさそうな蓮太郎が頷く。