むっとする熱気のビニールハウスの中に、蓮太郎は唯由に導かれ入っていった。
テレビで見たのと同じ顔の古澤練行が麦わら帽子に作業着姿でそこにいた。
身長は蓮太郎と比べると、そう高くはないが、全身から滲み出す迫力が大きく見せている。
スーツを着たら、ニヒルでハードボイルドな感じになるその顔には、孫娘に会えた嬉しさからか、今は満面の笑みをたたえていた。
「おじいちゃんっ」
と唯由が駆け寄る。
今の唯由にとっては、実家よりも祖父母の許の方がくつろげる場所なのかもしれないな、と蓮太郎は思った。
久しぶりの再会を喜ぶ祖父と孫娘。
実に微笑ましい光景だ。
だが、今の蓮太郎には、その祖父が肩に担いでているクワがライフルに見えていた。



