(仮)愛人契約はじめました

「いや~、いいところだな」
と蓮太郎は田舎の空気を吸い、なにも遮るもののない空を見上げていた。

「こういうところに来ると、心が(ほど)ける感じが……」

 しなかったようだ。

 伸びをしかけた蓮太郎の両腕が止まる。

 ハウスの前にいる隙のない目をしたダークスーツの男二人が目についたからのようだ。

 彼らの耳にはイヤホン。

 もちろん、ラジオを聴いているとかではない。

 古澤練行のボディガードだった。

 蓮太郎も、そんな人たちは見慣れているはずなのだが。

 彼らがいずれ自分を狙う暗殺者に変わってしまうのでは、と勘繰(かんぐ)っているようだった。

 いや……、その人たちボディガードで、始末人とかじゃないんで、と思いながら、唯由は、ぺこりと彼らに頭を下げる。

「おじいちゃん、来たよ~」
と言いながら、ハウスの扉を開けた。