バスを降りて田園風景の広がる中を歩いていると、農作業をしていた顔見知りのおばさんたちに声をかけられた。
「あら~、唯由ちゃんじゃないの。
偉い男前の人連れて」
「彼氏?」
「あ、もしかして、練行さんに結婚のご挨拶?」
いや~、と唯由は笑ってすべてを流したが、蓮太郎は横で固まっていた。
「……お孫さんを嫁にくださいと言っても斬り殺されるかもしれないのに。
愛人にくださいとか言ったら、どんな目に遭わされるんだろうな」
だから別に挨拶に来なくてよかったんですけどね。
なにに操られて行きたいと言ってきたのやら……。
まあ、大王父か。
大王父にそう言えと言った、真伸様だろうなと唯由は思っていた。



