土曜日、二人は駅で待ち合わせて電車に乗り、古澤練行の地元に向かった。
そんなに遠くはないが、日帰りプチ旅行という感じだ。
駅に青ざめて現れた蓮太郎だったが、電車に乗っているうちに楽しくなってきたようだ。
「なにか買って乗ればよかったな」
と言い出す。
「ちょっとしたお菓子ならありますよ」
と唯由がチョコレート菓子などを渡すと嬉しそうだった。
田舎に向かう電車はどんどん空いていって、ぽつぽつしか人がいない中、四人掛けの椅子に蓮太郎と二人きり、向かい合って座っていた。
線路沿いには黄色や白の背の高い野の花が咲き乱れ、窓の向こうには海。
なんか……デートのようではないですか、と唯由は赤くなる。
あんまり蓮太郎の方を見ないようにして、海を見、チョコを口に放り込んだ。



