(仮)愛人契約はじめました

 今、ヤクザっぽいって言ったろ、とれんれん仲間のはずなのに怯える。

「だからこそ、早めにご挨拶に行くべきですよ。

 蓮太郎様のその誠実なところをお見せするのです。

 蓮太郎様は、唯由様のお父上と違って、一人の女性だけを大切にされるお方。

 ご挨拶に伺って、それをハッキリ古澤様に示されたら、きっと味方になってくださることでしょう。

 冗談にでも愛人とか阿呆なこと言わないように」

 指の二、三本持ってかれますよ、と直哉は言う。

 いや、だから、ヤクザっぽいだけで政治家なんだろうが、と蓮太郎が思ったとき、いつの間にか現れた大王父が語り出した。