特に行くところもなかった月子は周りの車に迷惑をかけながら一周して家に戻った。
帰ると、楽しそうに庭掃除をしていた使用人たちが、ひっ、と固まる。
足を止め、無言で睨んでやった。
落ち葉を運ぶフリをして、みんないなくなる。
みんな私たち母娘がいなくなればいいと思ってるんでしょ、と思いながら、屋敷に入る。
階段を駆け上がり、自室に入ろうとして足を止めた。
突き当たりにある人気のない部屋の扉を見る。
唯由の部屋だ。
『私、出てくから。
みんなを呼び戻して』
覚悟を決めたように言った姉の言葉を思い出す。
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