(仮)愛人契約はじめました

「執事としての技量で劣っていると言われるのならともかく、容姿で判断されるのは不快ですな」

「技量の優れた執事なら、もっと美味しい朝食を用意しなさいよっ」
と言って、月子は立ち上がった。

「出かけてくるわっ」

 月子が鞄をつかみ、玄関に向かうと、手の空いている使用人がみな見送りに来る。

「いってらっしゃいませ」

 頭を下げながら、全員、ホッとした顔をしていた。