(仮)愛人契約はじめました

 


 唯由がバス停への道を歩いていると、後ろから自転車がやってきた。

「おはよう、蓮形寺さん。
 最近よく会うね。

 また今度呑もうよ」

 お疲れ~と言って、爽やかに去っていく。

 例のコンパのとき隣の席だった人だ。

「あ、はい。
 ありがとうございます」
と機械的に返したときには、もう彼の姿は消えていた。

 今日、なんだかんだで出遅れたのに、また出会ったな。

 あの人も遅刻かな、と唯由は、ぼんやり思っていた。