(仮)愛人契約はじめました

「蓮太郎様にお見合いのお話が来ております。
 蓮形寺月子様との。

 長女である唯由様が実家に戻られるなら、また事情も変わるかなと思ったのですが」

 差し出がましい真似を致しまして、と執事は深々と頭を下げてきた。

「我が家は代々、雪村家に仕えておりますので、私は幼き折から、蓮太郎様と共に過ごして参りました。

 小生意気だった蓮太郎様も今や私の主人。

 誠心誠意お仕えしようと思っているのですが。

 幼なじみなこともあり、余計な心配をしすぎて、時折、こうして職務を逸脱してしまうのです。

 申し訳ございません」

「い、いえいえ。
 ありがとうございます」
となにがありがとうなのかわからないが頭を下げる。

「では、失礼致します」
と言って、執事はいなくなった。