(仮)愛人契約はじめました

 どうやら、部屋間違いではないようだ、と思いながら、唯由は問う。

「あの……、なにか、

 ……集金とか?」

 いや、水道局にもガス屋さんにもNH○にも見えなかったのだが。

 他に人がここに立っている理由が思いつかなかったのだ。

 すると、男は、
「いえ、私は執事でございます」
と言う。

 執事?
 いや、何処の……?
と唯由は思ったが、口を開く前に自称執事が言う。

「私は雪村家の執事、オオキミでございます」

 なんだ。
 王様の家の執事の人か。

 オオキミってどんな字だろうな、と呑気に思いかけ、ハッとする。

 えっ?
 王様の家の執事?