(仮)愛人契約はじめました

「いや、なんか寂しかったのよ。
 あのゴキブリが出てっちゃって。

 だからさ、れんれんのことを唯由ちゃんがどう思っているとしても。

 厄介なゴキブリがいなくなっても、寂しくなっちゃうくらいだもん。

 れんれんが見合いしたら、唯由ちゃんもちょっとは寂しいと思うよ」

「待ってください。
 ゴキブリがいなくなったら寂しくて。

 俺がいなくなったら、ちょっと寂しいなんですか」

「いや~、物の例えよ~。

 あっ、そうだ。
 あれ、わかった」
と言いながら紗江は扉に向かおうとする。

 わかったのは仕事のことだったようだ。

 紗江はいつものように、しゃべりながらリラクゼーションルームを出て行った。