「あ」

私が声を出すと怜がどうしたの?と聞いてくる。

「いや、そーえばあの時ってどこでサボったっけ?」

「え?んー、確か美術準備室じゃなかった?静かで僕は好きだったなー」

美術準備室か…、準備室だから変な奴が来る可能性がないとは言い切れないけど

チラッと怜を見る。

「…玲央、あそこ行きたくなってきちゃった!」

だよね…。

「じゃあ、行く?」

「うん!」

怜はバッと駆けだした。

「走るの…?」

ダルいなーと、思いながらも駆け足で付いて行く。

「場所、分かるの?」

「うん!二階に上がって右に曲がって真っ直ぐ行って奥から二つ目の教室!」

よく覚えてるな、と感心しながらそー言われれば?とも思う。